タイトルフォトは先月の講座で構成しています。



2007〜2009年


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●本年も終わりですね・ Kasuga 2009/12/30

クリスマスもバタバタしたままトナカイも役目を終え、
今年最後の生徒さんも、何末の挨拶とともに無事帰られました。
毎年のこととはいえ、一年が終わるのは感慨深いです。
考えれば、コンビニや百貨店までもが正月休みをとらず
営業をしている今は、暦だけの正月になっています。
私たちが幼い頃に過ごした、何か背筋をしゃんとして迎えた正月は
もう過去の風習かもしれません。
しかし、一年が暮れてゆくこの時期は、一年に対して感謝や反省が満ちてきます。

2009年は,ココ北浜で開講させていただいて3周年でした。
記念として,一年を通じ記念キャンペーンを催しました。
御陰さまで、60名以上の新しい生徒さんが入会されました。
その他、色々な場面でたくさんの方にめぐり逢えました。
その一人一人、一場面場面に感謝します。

来年もまた、メニューを刷新し常に新しい自分で
お菓子やパン,料理に向かい合おうと思います。
一年間、ありがとうございました。
つかの間の正月休みですが、大掃除やお祝い、初詣、墓参りと忙しく過ごします。
私にとっては、世間が変わっても、
昔ながらの背筋をしゃんとして迎える元旦であることに変わりはありません。
その心は明ける新年に対する期待と意気込みでしょうか。

来年も宜しくお願いいたします。

春日玖一巳







●宴セミナーとは・・ Kasuga 2009/11/11

秋の味覚や実り豊かな、美味しい季節になりました。
市場に行くと栗や松茸、たっぷり脂の乗り始めた魚たちが食欲をそそりますね。
来るべき冬に備えて、人間たちも滋養を蓄えるためでしょうか・・美味しそうです。

昨年オヤスミしました忘年会を今年は開催しようかナット思い、
どうせなら何か食にまつわるセミナーみたいな物にしようと
まあ、楽しく、美味しく、ためになる、という感じのテーマで
私が普段、愛してやまない、シェリーなんかどうかなと
友人のソムリエに頼んで、シェリーの飲み比べやピンチョすとの食べ比べ・・?
いやいや、併せ方などをワイワイやろうかと開催することにしました。

シニアソムリエと2本では珍しいシェリーのソムリエとも言えるウ゛ェネシアンドールを持つ
松野直也氏にお願いして、オナーをつとめる、心斎橋Bar Hemingwayにて開催します。
せっかくですのでと、題して
広くメンバーや食に興味のある方と一夜の宴を楽しみたいと思います。
詳細は、クリックしていただきご参照ください。

日頃の皆様の一生懸命学んでくださる姿勢に感謝を込めて
美味しいシェリーやワインとお食事で楽しみましょう!!






●黒イチジク入荷決定!! Kasuga 2009/9/25

今月は厳選素材を、フランスや地方から取り寄せメニューを構成しました。
その結果、思いのほかちゃんと届くかどうか・・ドキドキそわそわでした。
最後の取り寄せ素材のビオレソリエス(黒イチジク)も入荷が決定!
これで、月末のイチジクのタルトの講座も無事、開講できます!!関係各位の方、本当に感謝です!

当初予定したおりました新潟、佐渡島の
天候が恵まれずに作柄が安定せず、入荷不可能になり
佐賀県産に切り換えて交渉し、本日25日に初収穫!台風も影響なく
26日佐賀のお願いしていた業者さんから初集荷できるとのご連絡をいただきました!!
糖度の高いイチジクは、焼かれる事で味がさらに凝縮され、
きっと、おいしいタルトになるでしょう!!



シェーブル(山羊)のフロマージュの講座も無事終了。。。
残ったフロマージュフレは、メンバーの方に分けたり食べたり・・
そして、最後に残ったフロマージュフレで、パンスタを作ってみました。
ちょうど市場に行くと季節ならではの、珍しい鮭の白子が売っていいました。
これは・・・シェーブルと合わそう。。と何やらぼんやりと思いつき購入。
ゴニョゴニョ、プイプイ、グツグツ、ホイッ!と
完成しました。山羊と鮭の白子クリームペンネ!!

シェーブル(chevre)の独特のコクと薫りは残しつつ
薫り付けのタイムやフヌイユ、ナツメグ、黒胡椒が美味・・
でもこの鮭の白子って、似てるなぁ〜と過ったのは、羊の脳(cervelle)・・
淡白な味わいながらその食感は、羊のセルヴェール・・そっくりだなぁ〜・・
そいいえば、山羊と羊の脳の韻も似てるなぁ〜・・シェーヴル、セルヴェール、
シェーヴル、セルヴェールシェーヴル、セルヴェール、シェーヴル、セルヴェール・・・・
ぐるぐる想いを巡らしながら、完食しました。
ごちそうさまでした。






●シェーブル山羊です。 Kasuga 2009/9/3

昨日、シェ−ブル山羊のフロマージュブランが届きました!喜喜!
独特の芳香と味わいが特徴の山羊の生乳を分離させず
そのまま発酵させたフロマージュフレは、
生乳よりもストレートに山羊のミルクを楽しめる一品です。
山羊のチーズといえば、フェルミエで作られる、熟成のチーズや
ウオッシュタイプに代表される匂いが独特の刺激的なイメージがありますが
生乳自体は、程よい渋みと独特の甘い味わいがあり、とてもマイルドです。
その山羊の芳香と味わいを残したスイーツを作りたくて、
フロマジエにお願いしてフランスに発注していただきました。

来ました来ました!嬉嬉!
かわいいパッケージに、たっぷり入った山羊のフロマージュ!
口に運ぶと山羊の生乳の優しい薫りと味わいが口の中から体に広がっていきます・・・悦悦。
それにより濃厚な風味を楽しめるように、容器も浮遊水(分離した水分)をドリップできるように
網目構造のうち容器が仕込んであり、
しっかりと浮遊水を容器の中で分離させているのです!驚!
まさに、ヨーロッパの作り手たちの食にに対する
シンプルな工夫は感心の至りです。

本日、フロマージュブランのムースアントルメを講座にて作りました!

しっかりと味わいを残した極上のスイーツが完成し、
あらためて素材の持つ味わいの深さを認識できました!
本当に美味しい食べ物を作り出す、すべての人々に感謝です!
ありがとう!






●ビオレ・ソリエス。 Kasuga 2009/8/11

先月、国産イチジクを使って野外風のタルトをお作りしました。
国産のいちじくを使用して、アーモンドショコラのタルトに、
フレッシュなイチジクをごろごろ乗せて、カラメリゼしたスタイルでしたが
その折、受講者の方から、
フランスでよく見かける黒いイチジクの焼きタルトが食べたい・・・
とリクエストをいただきました。
そもそも、国産のイチジクは、「桝井ドーフィン」という品種で、
実は白く、天候に恵まれれば糖度も16度を超える物もありますが、
だいたいは淡白な味わいです。
フランスやヨーロッパで栽培される品種は、粒が小さく糖度も20度を超える物が多く、
日本ではなかなか入手困難です・・・。

しかし・・・探しました!!見つけました!!嬉!!

日本でも少量ではありますが、「ビオレ・ソリエス」という
黒く小粒で糖度の高い品種が生産されており、
9月下旬から10月いっぱいまで、出荷されるようです。
ただ今年は、天候に恵まれず、果実の付き方が良くないそうで・・
生産者の返答待ちで、まだ入手できるかわかりません。..
ただあきらめず、生産農家と連絡を取りながら、入手出来るように頑張ります!!
出来れば9月下旬か10月上旬には、イチジクのフランス風焼きタルトとして
皆さんに提供できる事を目標にします。ご期待ください!!

世界的にも、天候が落ち着かないようで,
アンダルシアからのオレンジもいい状態の物が少ないですね。
日本でも長い梅雨があけたと思ったら、
矢継ぎ早に台風がやってきて待たされた腹いせなのか
各地に爪痕を残しています。
今朝早くには関東が地震に見舞われ、被害が出たようです。
近年夏になる度,不穏な自然の変化になにか、
不安と戸惑いと恐れのような感覚を覚えます。
被害に遭われた地域の方々へ一刻も早い復興と回復を願っております。






●夏の便りです。 Kasuga 2009/8/4

毎年楽しみの幻のプラム「月光」届きました。
果実は金色でジューシー。糖度が高く高貴な甘みが特徴です。

量が少ないので、メニューには出来ませんが
それぞれのメニューに盛りつけて受講の方にお裾分けします!






●暑中お見舞い申し上げます。 Kasuga 2009/7/30

毎日暑い日が続きます。
自転車で買い出しに近くの天満市場やなじみの卸しに買い出しに行っても帰りは
すっかりいい汗をかいてしまいます。

そんな暑いさなか,今年もたくさんの方に受講していただき,大変感謝しております。
そこで今年も受講していただける方に、特別に謝恩させていただきます。
8月開講メニュー受講のメンバーのかたに、管理費を一期分免除させていただきます。
秋から冬に向けて、なが〜くお菓子やパンライフを楽しんでください。

そろそろアンダルシアからも,オレンジが入荷の予定です!!
また新たに素材を見つけて、皆さんに提供しますね。
内緒ですが,9月にはシェーブル(山羊)のフロマージュブランをフランスから
取り寄せて,新しいメニューを作るため、フロマジエと計画中です!!
お楽しみに!!






●さくらんぼ。 Kasuga 2009/7/5

今年も夏のたよりのサクランボが届きました。
来年以降のボンボンスリーズになるために
漬け込みをしました!
山形のお願いしている農家から
真っ赤な佐藤錦がやってきました。


渋みの出る軸を切り落とし、
今年はハーブとコニャックブランディ、白ワインで漬けました。
来年2月頃からが食べごろでしょうか・・
またヴァレンタインの時期にボンボンスリーズとして
生まれ変わるんですね。。
がんばって、じっくり美味しく漬かってほしいです。






●ご入会キャンペーン報告。 Kasuga 2009/6/11

どんどん季節は巡って、もう梅雨入りです。
昨日は一晩中雨が降り、遅咲きのツツジで満開だった
当アトリエのエントランスの花壇も

すっかりしょぼくれています。
おかげさまで、3周年のキャンペーンを終了させていただきました。
好評のため、5月まで延長させていただき
たくさんの方の来校そして入校を賜りました。
あらためて御礼申し上げます。

09.1〜5月末までに、体験講座受講者が45名、うちご入会36名
期間中以外の体験受講者およびご紹介等による期間中のご入会、8名。
期間中の退会者、1名。

と、とてもたくさんの方にきていただき、感謝です。
ただ、キャンペーン期間中といえども、受講はメンバーの方優先ですので
満席につき、お断りさせていただいた体験講座受講希望の方や
満席での講座で、はじめての方には、なかなか私自身の思いとして
行き届いた体験受講をしていただけなかった事もありました。
反省とお詫び申し上げます。

好評をいただいた、初期費用1050円やご入会記念のナイフプレゼントは
期間中のみの限定のつもりでしたが、
キャンペーン終了後も継続させていただく事にしました!!
出来る限りこのままでがんばります!

また、折りをみてご参加出来なかった方も
ご参加ください。お待ちしております。

これからもよろしくお願いいたします。






●CakeSale ケイクサレ。 Kasuga 2009/5/12

葉桜とスズランが初夏の日差しに、
いきいきして、苺が去ってゆくと同時にいろんな果物がで始めましたね。
アトリエも5月は、フルール盛りだくさんのメニューでいっぱいですが、
昨日、メンバーさんのリクエストでケイクサレを作りました。
直訳すると「塩のケーキ」ですが、塩味のお菓子ではなく
ケイク型で焼き上げる、料理の一種です。
元々、パティシエには、トゥレトゥール(お菓子屋さんの仕出し料理)というジャンルがあり、
私もキッシュやクレープのロールからはじまり、魚を焼いたり肉を煮込んだり
様々な料理をしていますが、近年このケイク型で焼く料理が
ケイクサレとして、ジャンルになっているようです。

最初ケイクサレといわれても、私も塩味のケーキだと思いました・・・。
そこで調べてみると、かなり前よりこの呼び名でジャンルがあるようで
いろんなシェフがHPにも書いてらっしゃいました。
私のレシピー帳の中にも、型で焼くトゥレトゥールはいくつかありましたが、
もっともっと、バリエーションを広げてそれらを、
ケイクサレというんだ・・・・・と勉強になりました。

日々忙しくなかなか新しい情報も枯渇気味ですが、
幸いメンバーの方が、誰かしらいつもヨーロッパに行っていらっしゃるので
いつも新しい情報を教えてくれます。。。
このケイクサレもメンバーの方に教えていただきました。
デパートやレストランなどでも密かに、広まっているようです。
今回、私のレシピーを少しアレンジして作ってみました!
とても美味しく出来たので、さっそく他のメンバーの方に試食!
みなさんとても好評で、ぜひ講座を開いてくださいとのこと。
近々、ケイクサレ講座開講します!
いつも、楽しい美味しいことを教えてくださるメンバーの方に感謝です!!

グリュイエールチーズ、アンチョビー、ブラックオリーブ、手作りベーコンなど
かわいいメンバーの方のリクエストで作りました!!
自然な塩味と素材の持ち味が絡み合い、絶妙の出来映えでびっくりです!!
これは、いろいろ可能性のあるジャンルだと、改めと思いました。
ちなみに、昨日は熟成シェリーのアモンティリャードとあわせていただき
とても満足でした。。!ありがとう!!





●春のスタートです。 Kasuga 2009/3/27

寒の戻りでしょうか。毎年今頃、決まったように桜が咲いて、
花冷えという、往生際の悪い冬の精が名残惜しくて暴れているんでしょうか・・・
この時期のこの寒さを最後にどんどん春になってゆくんですね。。
ショコラの講座も、この自然のはからいに、助けられ、春の温もりを避けて無事最後の
ショコラオブジェを完成させました。
今年は、ショコラのバラをマーブルのプレートに飾る、ショコラレリーフを作りました。


ショコラの講座は、テクニックも知識もレベルが高く、毎年少人数に制限し、内容の濃い講座になっています。
今年も無事、ファーストスクール(10月〜12月)セカンドスクール(1月〜3月)昨日修了し、
テンパリングはもとより、ショコラの魅力を伝えることが出来ました。ありがとうございました。
今日は、講座で制作する風景を載せます。皆さん真剣に、楽しまれていました。



ショコラ講座が終わると、春と一緒に天然酵母のパン講座が始まります。。
今年も美味しいパンになるために、グリーンレーズンも入荷しました!
シーズンに向けて、美味しい種が出来るように・・・。
また香ばしい香りと歓声が、聞くために、
さあ、春のスタートです!





●春の予感。 Kasuga 2009/2/20

[三寒四温」の言葉がぴったりの毎日の気候ですね。
暖冬といわれながらも、しっかりと冬のお天気が寒い日が続けば、待たすこし暖かく・・
ゆるんだ気持ちをまた寒さが引き締めてくれるようです。
2009年、アトリエクツミ北浜アトリエも3周年。
感謝の気持ちで一月より思い切って入会費を1050円にさせていただいたところ
思いもよらず、たくさんのお問い合わせとご入会、びっくりしました。

当初、入会費を設けたのには、初期費用をかけていただける方なら、
きっと真剣に受講していただけるだろうとの考えがありました。
お菓子やパンの経験の有無よりも、その真剣さを持つ方のために開講したかったからでした。
今回キャンペーンと言うことで、入会費を割り引きさせていただいたときには、
正直、入会費を割り引くと軽い気持ちで来られる方が多いだろうなぁと思い、
それなりの心の準備をしていました。でも蓋を開けてみると、
今までと同様にとても熱心な方が、多数お越しいただき、とても驚き、感激しております。
それぞれの方一様に、以前から当アトリエの事はチェックされていた方が多かったようで
受講の機会をうかがっていたそうです。。。歓。
北浜で開講して3年の間に、メニューやコースも充実し、皆さん見えないところで
少しは注目していただいていたようです。。。嬉。
あらためて、3年間ひたすら環境の充実を図ってきてよかったと思いました。

そこで、そんなに喜んでいただけるならと・・・・
入会費1050円キャンペーンを3月以降も継続することにしました!!
またより多くの新たな方にお菓子やパンの楽しさや難しさ、
美味しさを理解していただけると信じております。
これからもよろしくお願いいたします。。。祈

春日玖一巳





●明けまして、おめでとうございます。 Kasuga 2009/1/5

さあ、一年が始まりました。
初日の出もしっかり拝ませてもらい、
お正月休みも何年かぶりにゆ〜っくり、過ごすことが出来ました。
初夢もこの上ない、感動的なな夢でした・・・。

今年は丑年。牛のように飲み込んだものをゆっくり消化して
着実に歩みを刻んでゆきたいと新年の光臨に新たに誓いました。

講座も徐々に充実し、美味しさをごまかさず、わかりやすく的確な
作り手の思いこみのない解説をお伝えして
今年も皆さんの歓声とともに2009年を過ごしたいですね。
レギュラー・集中講座メニューも一部刷新いたしました。
何度でも、飽きない講座を目指します。
今年もよろしくお願いします。





●一年ありがとうございました。 Kasuga 2008/12/30

今年も、一年の講座がすべて終了しました。
つかの間のお正月休みを満喫したいと思います。
明けて来年は、さらに新しい試みや、よりよいメニュー作りをしていきます。
北浜にてアトリエを開講して早3年。メニューや内容もより充実を図れたと自負しております。
今後ともみなさまに、よりよい環境でお菓子やパン、料理に触れていただけるように
心がけて参ります。

今年も一年間、ありがとうございました。
また、来年もよろしくお願いします。
みなさまにとって、幸せな2009年でありますように。

春日玖一巳




●寒くなりました。 Kasuga 2008/11/12

空気がひんやり透き通って、上着越しに感じる寒さに、
思わずまだ白くは見えない吐息を確認してしまいます。
今年は、秋を長く感じるような気がします。
近くの公園の木々も葉を落としたり色づいたり・・
ゆっくり冬の到来の準備中って感じですね。
日本の四季にあらためて、ありがたさを感じます。

このごろ、教室に来られる方をみていて感じる事がありました。
皆さんとても熱心で、来ていただいているのですが、
体験受講される方の、大半がもう既に、
どこかの教室や学校で習っている方が多いですね。
ですから当然、もう基本は習得したので、あるいは長い間作っているから、
自分の学びたいことだけを、教えてほしいという要望をききます。
先日もこのアトリエのことはずいぶん前から知っていたけれど、
チャンスがなくて、やっと来ました・・・とか、ショコラを習いたいけれど、
テンパリング(ショコラの作業における成分管理)だけを教えてほしい・・・
天然酵母のライ麦酵母のおこし方だけを、習いたい・・等々・・・
皆さんいろいろな事情で、忙しかったり、予定が立たなかったり・・・

そんな方でも、大丈夫です。お気軽に連絡してください。
じっくり腰を据えて、お菓子やパンを習いたい方は、課程を修了していただき、
自分の学びたいものだけを、教えてほしい方は、それなりに・・・
いつもアトリエに来られる皆さんに、伝えていることが、
このアトリエに来ることは
お菓子やパンに関する辞書を手に入れたと言うことです。
皆さんが日頃、お菓子やパンに親しんでいて、疑問に思ったこと出来ないこと
有ると思います。そんなことを全部質問してください。
体験受講される方にも、
「せっかく来ていただいたので、日頃の疑問を全部質問してください。」
と必ずお伝えします。

私も、お菓子やパンの事すべてを熟知しているわけではありませんが、
少なくとも皆さんよりは少しばかり、お菓子の知識や経験は豊富です。
一人で考えるよりも出版物に載ってあることが解らないとき、お答えします。
私も日本で大部分の修行や研鑽を重ねて来ました。
フランスやヨーロッパで重ねた経験は、ほんの少しです。
その間いろんなところで、今まで出会ったたくさんのシェフの方、
いろんなお菓子と料理、ワインやカクテル、お茶、カフェ・・・
見てきたこと、感じた事をしっかり忘れず、
ずっとお菓子やパンに携わってきました。
この経験と考えを基に皆さんと一緒に考えさせていただいています。

また来年に向けて、様々な人にお菓子やパンの楽しさを伝えるために
入会フリーの講座や受講料の値下げなど取り組んで行こうと思います。
体験講座も受けたくない・・大丈夫、初回は入会金は頂戴しません。
気軽に相談してください。ご自分の習いたいお菓子を一回限りでも、
その一回を自分の中でとても大きな経験に膨らませられるように

いつでもお待ちしています。





●ライ麦パン。 Kasuga 2008/10/18

もうすっかり秋です。
このアトリエで作っている天然酵母も季節を感じて、味わいはさらに深くなり、
すこし活動もゆっくりになってきました。
これも、冬を控えて力を蓄え、春に大爆発するためなのですが・・・。
涼しくなるとやはり種興しがやりにくくなります。特にフルーツから起こす種は、
気温が低くなるとお温度を保つのが難しく、種まで育てるのは大変です。
フルーツ種に比べてライ麦種は、種に育つまでの時間も短く、しかもできた種は、
冷凍保存して、解凍して使用できる、実は便利なすぐれものです!!
広いヨーロッパでも、寒冷地や山岳地帯で栽培される、ライ麦。
風味豊かな味わいの反面パンには適さない酵素やタンパク質を持ち、
その働きがねっとりとした香りの悪いパンになる要因です。
その働きを押さえて、香ばしくふっくらとしたライ麦パンを作るのは、
ライ麦から起こした天然ライ麦サワー種そのものです。
ライ麦サワー種のおこしのこのラストチャンス、
この11月にライ麦天然酵母の講座を開きます!!

パン作りもいよいよ冬支度!ライ麦種おこしのラストチャンス!!
年末年始、美味しいパン作りのための準備を急いでするために、
がんばりましょう!!





●秋ですね。 Kasuga 2008/10/16

残暑ももうすっかり落ち着いて、アトリエ近くをゆったりと流れる土佐堀川にかかる
天神橋のたもとにキンモクセイが群生していて、かぐわしい香りを漂わせていました。
土佐堀川にある中之島公園も、私鉄の新鮮開通にあわせて全面改修しています。
来年の春には、完成しきっと一膳にもまして楽しい公園になるのでしょうね。

ココ北浜にアトリエを構えて来年の春で3年になります。
思えばココ北浜には、多大な縁を感じています。
私の祖父の両親が堺港で商売をしていて、
このあたりの船場に居を構えて祖父が生まれたそうです。
そのころから家業もこの船場で営むことになり、
やがて父が生まれ、祖父も父もこのあたりで青春時代を過ごしていたようです。
母方の実家も家業もこの近くの釣鐘町と北浜にあり、
私も幼い頃からこの界隈で遊ぶことも有りました。
北浜アトリエにも、この夏には毎月100名以上来校される様になり、
お菓子やパン、料理に親しんでもっらっております。

楽しそうに、うれしそうに、難しそうに、美味しそうに・・。
ココにこられる方一人一人にたくさんの経験と想いがあり、とても楽しい夢があり、
それぞれの想いと夢といっしょに、どんどん膨らんでいる気がします。
あらためて、皆さんに尊敬と感謝の想いでいっぱいです。

日頃は、皆さんの前で、辛口で厳しくて「緊張する」とよく言われますが、
なにか、皆さんに還元しなければな〜、と日々思い・・
受講料還元させていただくのが、
一番わかりやすく皆さんも喜んでいただけるかな〜と考えています。
現在、短期でお菓子やパンやチョコレートや技能を習得する
様々な集中講座や専科講座には、
たくさんの受講生がいらっしゃいますが
本来、描いていた、ライフスタイルとしてお菓子やパン作りに接していただくための
レギュラー講座に少し空席があるようです。
もちろん価格だけで、参加されている方より内容重視の方が大多数なのですが、
少しでもいろんな方にお菓子やパンの楽しさを知ってもらうには、
もっと多くの方が来ていただけるようにするのが
ココ北浜のサロンの本筋と考えています。

どれくらいとか、いつからかはまだ未定ですが、
もっと、多くの人に美味しい顔になっていただきたい・・・。
その願いをもう一度考えて、努力します。

それから、ブログにたくさん投稿していただくんですが
皆さん、公開しないでほしいとの希望が多く、
楽しくてほかの方にも教えて上げたい事柄も、
投稿の方とのキャッチボールだけになってしまっています。
ほかの皆さんにもいろんな情報を公開させていただけるように
ご協力お願いします。





●ショコラの季節ですね。 Kasuga 2008/09/15

朝晩、すっかり涼しくなりました。
気がつけばほぼ月一ペースの更新になってしまいましたね。
夜長に秋を感じる今頃になると、オレンジピールの仕込みも終わり
年明けにこのピールがオランジェットになるンだナ〜なんて想いをはせる季節です。
毎年のことですが、またいろんな方に食べていただいて「びっくり美味しいですね」って
言われたいと思います・・・。

今年はショコラの講座のメニューを一新します。
僕が、そもそもショコラに触れたのも、いまアトリエを構えている高麗橋でした。
もう25値に以上前になりますが、当時在籍していたパティスリーの工房のひとつと店舗が
高麗橋のたもとにありました。今ではショコラメゾンも日本では当たり前になっていますが、
当時はまだまだ、チョコレートと言えば、
板チョコやアーモンドチョコなどのお菓子屋さんで売られているもの、
超高級なベルギーチョコレートがデパートに
デコラティブな缶や箱に詰められたアイテムでした。

ショコラの事なんて全く知らなかった、修行中のパティシエだった僕は、
当時、ショコラとアイスクリームやアントルメの専門工房だった
高麗橋アトリエに配属になりました。
未知の領域にショコラは、僕にとってそれまで親しんだチョコレートとは全く異なるものでした。
繊細で可憐でデリケートな製法と味わいは、斬新で当時の最先端だったのです。

毎日、先輩やシェフの教えに聞き入り、工夫しフランスや東京のシェフなどの講習会に参加したり
本を読みあさり、ショコラやアントルメと格闘していました。
その甲斐あって、何とか半年がたつ頃には、ショコラの型抜きを任されるようになり、
後には色とりどりのトリュフやショコラを作るようになりました。

今思い起こしても、毎日が濃密な時間が流れ、発見と驚きと葛藤と自信にあふれた時代でした。
そのころの想いをまた想い浮かべながら、今年はもショコラ講座のメニューを一新しようと思いました。
また、なかなか出会うことの出来ない、ウイスキーボンボンを独立講座として、加工いたします。
名前しか知らなかった、レミーマルタン、ヴァレンタインスコッチなどを当時使用して手作りした逸品を
皆さんに召し上がっていただきたいと思っています。

秋の夜長、今夜のお供は、デラマンのトレヴェネラルです。
若い頃はあこがれの今もお気に入りのブランディの逸品です。

さあ、どんなボンボンを作って差し上げましょうか・・・。




●手作り副材料について・・。 Kasuga 2008/08/1

<>毎日、とにかく暑いですね。
季節の楽しみは、盛夏を盛り上げるお祭りや、夕刻からの花火大会。
毎年の事ながら、やはり心躍る風物詩ですね。
お菓子の風物詩といえば、この季節しかできない、オレンジピール作りです。
毎年、ヴァレンシアオレンジが市場に出回る季節に一年分のオレンジピールを作っています。
これは、私にとっては店舗を初めてからずっと続いている夏の風物詩です。

初めてこの世界に身を投じた28年前、一般的にはまだまだ、
洋菓子は、戦後アメリカから伝わった
ショートケーキやパンケーキ、プリン、バヴァロア、シュークリームなどが主体で、
フランス菓子という看板を掲げていた在籍していた店でもまだまだ、
材料の種類は乏しかったですね。
それから、ヨーロッパのお菓子の研究や研鑽をかさね、
様々なヨーロッパのお菓子をみんなで習得していきました。
その課程ににおいてもやはり材料は仕入れるもので、
自分たちで作れるものとは思っていませんでした。
私がそもそも副材料を手作りするきっかけは、
シェフを任されていた店舗で
日々、オリジナルの商品や味を追求する上でどうしても味の面で壁にふさがれることでした。
そんな折、店に遊びに来てくれた後輩たちにオペラを作って食べさせたところ
「春日さんのオペラはとっても本格的で美味しいですが、
チョコが美味しくないですね。」といわれたことでした。
ビスキュイやクレームオブールやコーヒーなどには自分なりにこだわっていましたが、
仕上げにグラサージュしていたパータグラッセは、
フランスから取り寄せた有名メーカーのものを使っていました。
フランスのものだから大丈夫と過信していたこと、
そもそもフランスのもの自体に美味しくないなんてみじんも疑っていない自分がいました。
次の日から、パータグラッセも自分の納得のいくクーベルチュールから作ることにしたのです。
本場のものでも、過信することなく自分で納得のいく素材を扱うこと・・・。
そのことを学んだ瞬間でした。
以後、自分で作ることの出来る副材料は出来るだけ手作りするようになりました。

今では、ジャムやピューレはもちろん、オレンジピール
ナッツのペーストやナッツと飴を絡めたプラリネやプララン、クラクランなど
プラリネペーストも手作りです。マジパンもドイツやスペインのものを使用しますが
私のお気に入りのイタリア、シシリー産のアーモンドから手作りしたものは、
風味も質感も格別です。
今では作られなくなったタンプルタンもアーモンドホールと粗目糖から手作りすることで
アーモンドオイルがしみ出し、
ビターアーモンドの味わいが深く漂うお菓子ができあがります。
秋にみんなで焼いた栗をほじくり作るマロンペーストも楽しみですね。

副材料を手作りして感じることは、
お菓子を作り上げてきた先人たちの工夫や素材の力強さや大切さ、
お菓子に対する人々の想いを時代と場所を越えて体感できることです。
もちろん、出来上がりの食材を簡単に手に入れて、
お菓子に使うことも間違いではありませんが、
出来るだけ素材から手作りすることで、
そのものの本質や製法のルールを理解することが出来るとおもいます。

皆さんも少し、余裕があれば是非、副材料から作ってみてください。
そこには、見えなかったお菓子の本質が隠れているかもしれませんね。
自分にとっての風物詩を作ることも、毎年巡りくる大きな楽しみだと私は思います。





●あついですね講座について・・。 Kasuga 2008/07/17
 
 
昨日、大阪も梅雨が明けたらしく・・?
もうすっかり夏の天気です。朝から全開の蒸し暑さです。。
最近、生徒の方やお仕事先の方から、よく言われることで
「先生の教室は、とてもレベルが高そうで、なかなか初心者の方は行きづらいです。」とか
先日ご入会された方も
「来たかったんですが、レベルが高そうで、知らないと怒られると思い、
ほかの教室で少し勉強して入会しました。」と言われました。
言われてみるとHPやパンフレットのお菓子やパンの名前や解説など、
クラスも多いですし、難しく見えるかもしれませんね。

確かに、お菓子やパンのコースも知識や作業技能の構築する上で、
考えていったら、多種な講座になりました。
ひとつひとつの作業や素材の持つ意味など、事細かく説明し、
一人一人に納得していただくようにしていますので、
よくある、大きなお料理教室や楽しい、楽しいお料理教室に比べると、正直、厳しいかもしれません。
それは、僕が、お菓子の現場で、たたき上げて自分を切磋琢磨し、
今まで自店も含め、幾店舗でシェフとして重責を担わせていただき
その時々のスタッフと同じように、皆さんにお菓子やパンを美味しく、
上手に作ってほしい思いが強いせいもあるかもしれません。

僕がよくみなさんに、言うことですが、毎日仕事で作っている人たちは、
日々の蓄積が体に染み込んでいき
次第に美味しいものを作ることが出来る表になります。
これは、よく言われる「体で覚える」ことですね。
でも、家庭では、そんなに毎日作る事は出来ませんし、好きなものを作りたいので、
どうしても経験が少なく、「体で覚える」事が出来ず、失敗という、落とし穴にはまるのです。
せめて自分でその落とし穴のある位置を知り、
回避できるようにするのが作業や素材の「基本知識」だと考えています。
「頭だけで判断するな!」とか「頭から入るな〜!」と・・・
とかく、知識を優先させることは、悪いことのように言われます。
プロになるには、日々の作業から少しずつ技能や素材を学び、
後にしっかり知識で技能を固めて技術にまで高めるのが最適と考えます。
しかし、一般の方は毎日出来ない分、知識で補い、まずは美味しいものを作り、
それからだんだん慣れてゆく。。。そう考えています。
最初はとても説明が多く、レベルが高いと思っても、続けるうちに知識は身に付き
自然と美味しく作ることが出来るようになります。
初めて、来られる方に、必ず「説明がとても多いですが、
びっくりしないでくださいね。」と声をかけさせてもらっています。
それは、皆さんに決して落とし穴に落ちてほしくないからなのです。

ただ。全くお菓子やパンのことを知らなくても、お菓子えおずっと、作ってきた方でも、
ココにくれば、学んでいただけることが必ずある事は、共通しています
新しいことを始めることも、やり続けていることをさらに磨くことも
自分にとって、納得の得られる答えを探すことですね。
いろんな方が、此処には集い、お菓子やパンを作っていらっしゃいます。
美味しいものから学ぶ喜びや、新しい事を得る喜びを知っていただきたい。。。
初めての方も手慣れた方も、しっかり学びたい気持ちがあれば、うちは結構楽しいと思います。
レベルが高いのではなく、細かいところまで注意をされます。。。。。
ほら、楽しそうでしょ・・・。





●天然酵母パン講座について・・。 Kasuga 2008/06/02

今年も好評の天然酵母パン講座、開講中ですが、
「どうして夏期(5〜7月、7〜9月)だけなんですか?という質問にお答えします。

天然酵母というのは、ヨーロッパの各地でもう何世紀の間、
綿々と受け継がれてきた食べ物ですね。
それはまさに、自然の力と人間の知恵の結晶といっても過言ではないでしょう。
 かといって、決して難解な学問ではなく、
普段の食生活の密着した工夫と注意で出来るものです。
ただ、長きにおいて、守られてきたルールや受け継がれてきた考えは、多様な思考と錯誤を繰り返して
完成された物として、存在しており、それはシンプルでいて、
かつ、的を射た作り方なのです。
それを無視して、作ることは、天然酵母のパン作りの本質から、
はずれてしまうと私は思っています。
 
 本来、家で作るパンは、たね起こしを年に一度行い、
残りの一年ず〜と粉と水をかけつぎ、かけたし、使う物でした。
ですから、気を使わずに放っておいても発酵する夏が、種起こしには適し、
温度や湿度を著しく自然に逆らって調節する冬には向かないのです。
 そして酵母は季節と共に成長を続け、上手に育てると約半年後に力や味わいのピークを迎えます。
その一番熟成した強いときが、発酵しにくい「冬」にあたるのです。
ヨーロッパでも冬は寒く熟成した酵母を用いても、
発酵には4〜5時間かかります。しかし、力強い酵母はしっかりその持ち味を発揮し、
美味しいパンを届けてくれるのです。
そして春の訪れと共に酵母はその生涯を終え、新たな酵母へとバトンタッチしてゆくのです。
酵母をおこしたての夏と力強い冬、一年熟成した春のパンはすべて味わいが異なり、
それも天然酵母の大いなる楽しみと感じています。

ヨーロッパの各地には、種をかけ継がず、
その都度種から起こして焼くパンもたくさんありますが、
それは季節により、工夫し、時間もコネ方も、
もちろん温度もすべて異なる管理の中で行われ、
逆に季節を利用したり、かなりの習熟度が必要です。

 天然酵母のパン作りで、よく混同され、誤解されているのは、
日本のパン屋さんが、商業的に作る「天然酵母パン」という
商品や実験的に作る趣味としてのアイテムと、
毎日の食生活の中で作り食べる「生活の中での天然酵母パン」の違いです。

商業的に作られる「天然酵母パン」とは、お客様が求める、
同じ風味や食感、味わいの商品を、毎日届ける事に重きを置いたパンです。
商品として、同じ味わいのため、同じ環境に整え、酵母の一生も短く設定し、
常に種起こしをくり返し、同じ品質を保ちます。
ですから、酵母を一ヶ月やそこらで使い切る方法は、
味は一年を通じて安定しますが、商業的であり、
家では、種も起こし続けなければならず、管理も大変であるため、
本来のお家のパンではないのです。

「実験的なアイテム」とは、本来はパンに適さないはずの、
フルーツや野菜から、種を起こし、パンを作れますが、
何かそれは未知へのチャレンジ精神が目的で味は二の次という、パンですね。
 自然界の物はすべて何らかの酵母や酵素が含まれており、
人参や野菜、苺やいろいろなフルーツから種起こしが可能です。
しかし、中にはパンには向かない発泡性の酵素や、
パン作りの妨げになる炭水化物や酵素を含む物も多く、
膨らむからといって雑多な種でパン作りにをしても、美味しいパンは出来ず、
フルーツや素材の風味も1〜2週間で消えて無くなり、
種の寿命も短いのがほとんどです。

 何世代も費やされた時間の中で、一番適した、フルーツや粉が選ばれて、
種起こしやかけつぎをする様に伝わっているのに、
わざわざ適さない条件でパンを作る事は、
研究者で無い限り、楽しむという観点にも添わないと考えています。
パン作りの経験がないということは、すべてにおいて未知へのチャレンジかもしれませんが、
せっかく長い時を経て先人が築いてくれた方法がアルのにもったいないな〜と・・・。
一年を通じてパンを焼かせてくれる、酵母を育てること、
それが天然酵母のパン作りと私は思います。


 現代では、真冬でもお家で温度管理が出来、
種起こしもできるでしょうが、余計な配慮が必要になるのです。
まずは適した環境での種起こしから初め、酵母の特性や力強い風味や味わい、
手に伝わる質感の違いを感じて欲しいと願い、夏期のみの講座としています。
 もちろん、我が家では、冬にも天然酵母のパンはしっかり焼いています。
でも正直、冬はお世話が大変です。。
その中で旅行に行くときの処理の仕方や、冷蔵庫の活用法、
冷凍保存の仕方等、現代のライフスタイルにあった、パン作りをお奨めします。
 
そして、クリスマスや目的にあわせて作る、
その都度種起こしをする天然酵母のパンやパンに
季節を感じてチャレンジしてみるのも楽しいですね。。。
それからでも、「商品のパン」や「実験のパン」もついでに楽しめばいい。。
と私は考えています。
実際、パンを作るヨーロッパの家庭には各家庭毎に秘伝のレシピがあるのですから
やっぱり、天然酵母は、未知へのチャレンジか・・・・。

 もともと天然酵母とは、自然の力に頼るところが多く、現代の清潔すぎる、
素材や環境も種を丈夫に育てられない、一因です。
本来の自然の力を利用し、知恵と工夫を発揮して、
美味しいパンを作りましょう!!


 でも、難しく考えないでください。。。
日本の家庭にも昔から天然酵母が、有るんですよ。。。
おばあちゃんの「ぬか漬け」。あれって天然酵母ですよ。。
比較するために、私はぬか漬けもつけています。
ジャパニーズサワーだねですね。。






●NHKに出演しました。 Kasuga 2008/05/29

 昨日5月28(水)1130〜1200 NHK「ぐるっと関西お昼前」の番組内、
旬の食材を使ったデザートの紹介のコーナーに、春日玖一巳シェフが出演しました。
当日は朝、830にスタジオ入りし、ドライ、リハーサルとすすみいよいよ本番。
添田尚子アナウンサーと桂よね吉さんのおしゃべりと
スタッフさんのアシストにも助けられ、順調に進んで行きました。

いかし・・収録中「ゼラチンが入っていません・・・」
というあわてたスタッフの声が聞こえてきました。
 
フロマージュブランのベースにゼラチンを入れるのを忘れてしまい・・・大変大変!
あわてて、後戻りしぎこちなく、ゼラチンを絞りベースに加えてナントカ、進んで終了。
収録語、皆さんにご迷惑をかけてすみませんと告げると、
笑って談笑して下さり、少し救われましたが、前日も深夜まで準備して下さり、
責任を持って仕事に従事されている方々に本当に申し訳なく反省でした。
久しぶりのテレビ撮影で、いつもは作り慣れた、
デザートも生放送の緊張感の中、しっかり伝えることは
気を許してはいけないと感じ入りました。
あらためて、支えて下さったスタッフやキャストの方々に感謝です。
ありがとうございました。

http://www.nhk.or.jp/gko/

ぐるっと関西ホームページ→【お問い合わせ先】→【20085月】→【5月28日放送分】→【詳しく】を順にクリック。

翌日、娘に「パパ、緊張してたね。。声が変だった。。。いつものなめらかさがなかった。。」といわれ
あらためてへこんでいます。



 


●NHKに出演します。 Kasuga 2008/05/20

 5月28(水)1130〜1200 NHK「ぐるっと関西お昼前」の番組内、
旬の食材を使ったデザートの紹介のコーナーに、私、出演します!
メニューは、フロマージュブランにライム風味のグレープフルーツジュースを合わせた、レーチーズ風ムースに、
アメリカンダークチェリーとバルサミコ酢のビネグレッドソースと
ハーブをあしらったのデザートです。
初夏のフルーツ満載の一皿です。
レシピーは、放送後NHK「ぐるっと関西お昼前」のホームページに掲載されます。




●ナントカ法からの脱出。 Kasuga 2008/05/03

 春宴の桜花も散り去り、初夏の装いをまとった町並みが、新鮮な輝きを放っています。
都会の街路樹や公園の木々や草花も嬉しそうに季節を感じて、
娘との憩い時間の散歩がとても楽みです。
 春から初夏のふんわりした気分と2周年のキャンペーンや多様なお仕事のため、
ブログの書き込みは2ヶ月ぶりになっていまいました。反省。

今回は、普段よく、欧菓子やパンの講座で生徒の方に、言っていることを書いてみます。
日本の本やお菓子屋さんの現場でもよく耳にする、様々な「製法」という理論がありますね。
お菓子でも、生地を作る「製法」として、最近では言わなくなりましたが、
「シュガーバッター法」フラワーバッター法」「オールイン法」
今でもよく聞く「共立て法」「別立て法」等。パンでも「ストレート法」等・・
果ては、その団体や個人が考案し、確立したと唱える、様々な「オリジナル法」。
しかし、お菓子やパンや料理も、作り楽しみ考えてゆく課程で、
どうもこの「製法」の枠では、説明できなくて困る事がほとんどです。
それもそのはず、料理やお菓子、パンには各地方に伝えられていたり、
作り手のスタイルはありますが、
確立している流派のようなニュアンスの先に述べたナントカ法は。
ヨーロッパにはほとんどがないのです。 

では、なぜそもそもヨーロッパに存在しない「製法」を
日本では基礎の製法として祭り上げているのでしょうか。

日本において、洋菓子と言われる、ヨーロッパ発祥のお菓子は、
多様な経路で日本にたどり着き現代のスイーツに至っています。
日本人に限らず、異なる文化を知り、模倣し、習得する課程において、
その場の情報を出来るだけ分析し、分類、比較研究します。
お菓子が伝来した当時、または模倣し習得する課程では、
完成品のみの味や作り方しか情報が伝えられず、
そのものの出身地や現地での発祥から変化の系譜、
生活習慣、などのバックボーンは、伝えられません。

 たとえば「別立て法」の生地と訳されるビスキュイは、色濃く(褐色に)とか
二度の意のbisと、焼くの意のcuit の造語で焼き物全般に使用される単語です。
 「ビスキュイ」の中でも日本で「スポンジケーキ」と呼ばれる生地は、
砂糖と卵を泡立てて小麦粉や油脂などを加えて作られます。
ビスキュイの中には泡立てない「クッキー」といわれるお菓子にも、ビスキュイやビスコット
(いずれもフランス語の表記)と名前が付いています。
この卵を泡立てるという作業において、泡立つ特性を持つのは「卵白」です。
卵黄は空気の粒を取り込む事は出来ても、気泡を作り膨らむ気泡力は有りません。
多くのビスキュイと名の付く生地の中で、泡立てる生地は、
卵黄と卵白を別にして泡立てるので、
日本では、ビスキュイ=「別立て」となってしまいました。

 材料特性からも卵黄と卵白は固まる温度や、気泡力、油分の保有、味などが全く違い、
同じ殻の中に入ってはいますが別の素材なのです。
ビスキュイは古くから材料の特性に応じた作り方が工夫されてきたので
別の特性を持つ卵白と卵黄は別々に扱うことが圧倒的に多いのです。

 一方のジェノワースは、ジェノヴァ風という意味であり、
「共立て」という意味は見あたりません。
ジェノワースはビスキュイジェノワースと呼ぶこともあり、
ジェノヴァスタイルのビスキュイという意なのですが、日本風に訳すと、
「共立て風の別立て」ということになり、意味不明です。
 ジェノヴァには、昔「ジェノヴァ包囲網」という有名な戦争があり、
そのときに兵士や民衆が食べていた、パンにちなんだお菓子の
パンドジェーヌというお菓子があります。
その製法が、卵やナッツ、砂糖などをすべて一緒に混ぜ合わせて作る製法なので
、別の素材を一緒に混ぜて作ることを「ジェノヴァ風」と言われる由来だと考えられます。

 日本では、第二次世界大戦後、アメリカの文化と共にお菓子もいっぱい伝わりました。
それまでのヨーロッパ中心の洋食の文化が、お菓子もアメリカの物に取って代わったのです。
当時アメリカ人が好んだショートケーキが日本人の傾向にも合い、一気に広まり又アレンジ
、認知されてしまい、使用されていた「スポンジケーキ」がジェノワースだったため
それ以来、一躍ポピュラーな生地に出世してしまいましたが、
ヨーロッパでは、基本生地の一つですが、少数派なのです。

「スポンジケーキ」をなんとか分類分けしたかった、日本人が
その、誰が見てもわかる作り方の違いとして、
卵黄と卵白を分ける作り方と一緒に泡立てる作り方を
二つの異なる「製法」と分類してしまったのでしょう

 ヨーロッパで一世紀以上も育まれ工夫されてきたお菓子やパン、
料理において、現代の器具を使って調理する工夫は出来ても、
新しい製法や理論を見付けること自体があり得ないに近いことと考えています。
そもそも「スポンジケーキ」という概念がヨーロッパにはないんですが・・・
これについては、又の機会に。

講座では、後にとってつけられた「製法」という稚拙な分類に囚われず、
その生地やお菓子の本来持つ文化やたどってきた系譜から
導かれた作り方や味を再現、実習し説明するよう努めています。
その結果、本来の姿である、美味しく、確実にお菓子やパンを作ることが出来ますし、
理論もしっかり構築で来るのです。
 その上で現代風のアレンジや工夫を施すことでより的確な
お菓子のメカニズムや楽しさを知ることが出来るのです。
まずは、足がかりとしての様々な「製法」からはじめた方も、
本当のスタイルを理解し、作るために
「ナントカ法からの脱出」をお奨めします。



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●おかげさまで2周年。 Kasuga 2008/03/01

春はもう待合いで待機しているはずですが、 まだまだ寒い日が続き、
冬将軍だのいう居候が、居場所を追いやられまいと
しっかり居座っているような、寒さですね。。
おかげさまで、この4月で北浜にアトリエをオープンして早二年に成ました。
この地で新たに迎える三度目の桜咲く春。
毎年感じる新たな始まりを予感させるワクワクした想いと、
感慨深くこみ上げるのは、 二年の年月に皆様の厚い取り立てと熱心な探求心に対する感謝の想いです。
この一年を振り返ると、新しいアトリエで迎えた初年度とは違い、
より講座の内容やカリキュラム等を充実させることが出来た一年でした。
初心を忘れることなく、益々お菓子やパン、料理の楽しさや奥深さを
多くの方に触れていただきたいと願い、ささやかながら、
皆様に感謝を込めて二周年記念入学特典を企画いたしました。
新たな出発に少しでも追い風に成れば幸いです。
詳細は、御入学キャンペーンページをご覧下さり、
この機会に是非ご利用ください。 

春日玖一巳  





●バレンタインショコラについて。 Kasuga 2008/02/09 

もうすぐヴァレンタインですね。
先日、大阪でも雪が積もり、このまま寒さが続くと
ホワイトヴァレンタインになるかもしれませんね。

昨年はメゾンドレザンからのお客様やネットショップ、頒布会などから
たくさんのショコラご注文をいただきました。
今年も既に、ネットショップをチェックされている方から、
催促のご注文も多数いただいております。
皆様のご注文にすべてお答えしたいのですが、教室や多方面の活動の関係上
トリュフやショコラを例年のようにお作りすることが出来ません。

大変申し訳ありませんが、今年はトリュフショコラを限定生産とさせていただき、
ネットショップでの一般の方への販売は見合わせていただきます。
お詫びと共にお知らせをさせていただきます。


 
 

 ●コレクション講座。  Kasuga 2008/1/26 

 
 中世、ヨーロッパに君臨したハプスブルグ王家。
当時の食文化にも大きく影響を及ぼしましました。
オーストリアは、1900年代初頭まで、600数十年に渡り、ヨーロッパ最大の帝国であり、
交易の拠点だったのです。マリーアントワネットのがこの国に生まれた時代には、流星を極め
「陽の没する場所がない」と形容されるくらいでした。
その統治はオランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、フランス、イタリア、ハンガリー、
チェコ、スロバキア、ポーランド、ロシア等など・・・
果てしなく、ヨーロッパ全域を支配していました。
永きに渡る交易は芸術や文化にも影響を与え、
多彩な民族と階級と才能が融合し発展してゆくのです。

当然、ウイーン菓子にも優れた逸品が数多く残されています。
庶民が朝から食べていた甘いお菓子や職人たちが工夫して作り上げた菓子の数々。。
それは現代にも通じる素朴と創作という輝きを残し伝える逸品です。
 栄華を誇ったハプスブルグも19世紀末に起こったフランス革命の影響で
民衆が王家の統治に疑問を持ち始めていました。
王家は世紀末、権力を示すためウイーンに様々な芸術を残します。
今も残るウイーンの芸術や建築はこのころに作られた物が多く、
それに反発する新たな芸術の潮流も各地で起こりました。
それらは世紀末芸術と称され、様々な時代や国、
価値観を混在させた威容を華やかに残しながら
時同じくして帝国は崩壊してゆくのです。。

一方フランス革命以来、パリは大きく様変わりを遂げます。
道や橋、建物は整備され、ホテルやオペラ座、様々な商業建築が立てられ、
一大商業地へと発展してゆくのです。当然、パリの賑わいに魅せられて、
芸術家や商人たちが押し寄せ、創造的な競争を繰り広げてゆくのです。
新しい芸術はヌーベルと評され、食文化にも商業的なモードが取り入れられてゆきました。
現代フランス菓子の礎の誕生です。
 当時優れた、幾人かのパティシエによって、ムースやアントルメや
華やかなデザートが生み出されてゆきました。
それらは伝統の技法を駆使し、かつ競争力に長けた味わいとスタイルと物語を持っていました。
今私たちが洋菓子を学ぶ上で重要なお菓子はこのころに創られた物がほとんどです。

 ヨーロッパから、日本や世界に広まっていったお菓子たちを語る上で、学ぶ上で、
この中世を代表とする郷土菓子や素材の個性を生かし工夫されたウイーンの欧菓子たちと、
現代に続く華やかな商業的なモード溢れるフランス菓子を系統立て知ることは
とても有意義な体験になると思いました。
 普段、お菓子を作ったり食べたりするとき、
どうしても自分の技量や好みに偏っていますね。
しかしその時代、その地のお菓子全体に触れることで、
「新たに芽生える喜びや発見」が有ると信じています。
まだ見ぬ物、より本物を知ることをコレクション講座では、主眼とし
皆さんに開講させていただきます。

 感動と喜びが、もっとお菓子やパン、
料理を通じて皆さんに芽吹くことを願っています。

 

 
 


 ●あけましておめでとうございます。  Kasuga 2008/1/7 

 
 あけましておめでとうございます。 
此処北浜にアトリエを開き今年の4月でもう二年です。
生徒さんの声、お菓子やパンの本来の在り方、楽しみ方、
知識や技能のスムーズな習得を考えながら
様々な講座を設け、皆さんに参加していただき、
より深く確実に学べる形に近づいていると感じております。
まだまだ、内容を検討し、充実させていきたいと思っております。
本年もよろしくお願いいたします。

春日玖一巳

 
 

 ●良い歳をお迎えください。  Kasuga 2007/12/30 

 
 今年の講座も無事本日で完了いたしました。
今年は、メニューを充実させ、新しい専科講座も数多くスタートさせることが出来ました。
参加していただいた皆様の歓声を支えに、また来年も楽しい、美味しい、なるほどのメニューを
数多く紹介してゆきたいと思っております。
年明けは、5日から講座が始まります。
既存の生徒さんにも新しい皆さんにも喜んでいただけると嬉しいですね。

本年も一年間、ありがとうございました。
良い歳をおむかえください。 


 
 


 ●クリスマスケーキについて。  Kasuga 2007/12/15 

 
 街はもうクリスマスですね 
僕も娘と一緒にアトリエ付近のライトアップされた公園や公会堂のあたりを
散歩するのがとても楽しみです。
クリスマスといえばクリスマスケーキですね。
昨年はメゾンドレザンからのお客様やネットショップから
たくさんのご注文をいただきました。
今年も既に、ネットショップをチェックされている方から、
催促のご注文も多数いただいております。
皆様のご注文にすべてお答えしたいのですが、教室や多方面の活動の関係上
クリスマスケーキ昨年のようにお作りすることが出来ません。

大変申し訳ありませんが、今年はクリスマスケーキを限定生産とさせていただき、
ネットショップでの一般の方への販売は見合わせていただきます。
お詫びと共にお知らせをさせていただきます。

 
 

 
●イタリアンコレクション。
  Kasuga 2007/11/01 

 
 季節は、すっかり秋の気配です。冬の到来の直前に草木がじっとしている。
そんな閑かな空気感に溢れる空の下。深く息を吸い込んでみたくなりますね。

というわけで・・・好評のフランスコレクションに続き、イタリアンコレクションも開講しました。 

イタリアのお菓子も、ウイーンやドイツ、スイス同様、貴族や皇室に文化として守られて
創意工夫されてきた物です。ウイーンやフランスと違うところは、
レシピーや作り方をじっくり観ていると、
その自由な発想と感覚的な配合が、特徴ですね。アル意味で「稚拙」な一面さえ見えるそれは、
ウイーンやドイツの卓越した職人たちが美味しさを追求したレシピーとも、
フランス革命以来、商業的にシェフたちが競い合って作り上げたアントルメとも異なるものです。
ただ、作り上げてゆく課程で、永い時と庶民から職人たちの工夫が積み重ねられて、
味わいは完成度が高く、スタイルも確立されています。
いわば、ルネッサンスの息吹や躍動をすっと今に受け継ぐ、アート的なお菓子たちです。
そんな誰もが名シェフのように、楽しく工夫してきたそのままにイタリアンコレクションでは、
たとえばティラミスのやスッコートの基本のレシピーだけではなく、
楽しいヴァリエーションを紹介していこうと考えました。
また、イタリアの地方に残る郷土菓子やちょっとした料理なども紹介してゆきます。

やっぱり、いろいろ想いふけても食欲の秋ですからね・・・・
美味しい物作りましょう。



 
 
 ●モンブラン・・。  Kasuga 2007/10/03 

 
 ありがとうございます。
美味しいモンブラン、今年は西日本の栗が不作で、関東、東北の栗をねらって待っていました。 

此処2・3年は特に、天候が不順で、栗が出るまで作柄がわからないんです。
今年は幸運にもとても大粒の出来の良い栗が入ってよかったです。
栗をオーブンで焼き、みんなでほじくってまたヴァニラや蜂蜜で煮あげては裏ごして作る僕のモンブランも
とても手間がかかり、正直毎年辛い作業ですが、できあがって口に入れたときの満足感は
やはり、手間をかけた何倍にも帰ってくる感動ですね。
大げさではなく、毎年世界一美味しいモンブランを作ろうと思っています。
栗と蜂蜜とヴァニラと僕はこれに生クリームや焦がしバターを加えて、
特にコニャックを惜しげもなく合わせて味わい深い物に仕上げています。
お酒はハイランドモルトスコッチのシェリー樽の薫りももとても相性がいいので、
マロンのお菓子には、使い分けていますが、栗の上品な味わいには、やはりコニャックですね。
強くて、甘くて、しっかり季節感を味わい、後味はくどくなく・・・
満足感がずっと口から全身に広がってゆく・・・
もちろんフランス人が食べても、自分自身も毎年、今年が最高のモンブランを目指しています。
それくらい、素材としての日本の栗は美味しいんです。
改めて日本古来の素材のレベルは高いと再認識します。
今年も、たくさんまた工夫を重ねて、美味しいモンブランを作りたいですね。




 ●モンブラン   中田です。 2007/10/01 
 
 
 
 いつもお世話になりありがとうございます。
フランスコレクションの第1回目のモンブラン、あまりのおいしさに口に入れた途端、笑いがこみ上げてきました!
言葉で表現するのは大変難しいのですが、甘みがしっかりしていて、どっしりした味であるにも関わらず、
大味ではなく、上品でまろやかな味なので、いくつでも食べることができそうです。
もちろん、香りと口当たりも文句のつけようがありません。
子供には食べさせてはいけない(笑)、大人のためのモンブラン、という感じです、
ヴァニラがたっぷり入っていたり、焦がしバターを使うなどの春日先生の工夫がなされており、本当に絶品です!
持ち帰らせていただいた分は、主人とゆっくり味わって、幸せな気分にひたらせていただきます。


 

 
 
 ●新しい専科講座・・。  Kasuga 2007/09/17 

 
 少し涼しくなったと思ったらまだまだ残暑ですね。 
夏が消えていくまえに、必死で抵抗しているみたいですね・・秋にがんばってほしいですな・・・。

現状、欧菓子講座のレギュラー講座は、「プルミエール初級」「スペリュール上級」を設け、
広く国を問わずヨーロッパ視点の欧米菓子の基礎や基本の構造を初級で習得し、
その後、ヴァリエーションや、より高度なアントルメやキュイジーヌなどを
製作していただく上級に進級していただいています。 
プラス、知識や技能を深めるために、独立性の強いジャンルを専科講座とし
「郷土菓子」「テクニック」「ショコラ」
「欧州田舎パン」「欧州菓子パン」「天然酵母パン」と開講しております。、

知識や技能、素材の選別や理論を段階別に開講している今のシステムは、
皆さんにとても好評をいただいています。
ただ、熱心に通っていただく生徒さんたちに接していて、
皆さんが一生懸命すぎて、なんか学校みたいになってきていなぁ・・・と
ここは、もう少しお菓子の楽しさや、広がりをもっと肩肘張らずに感じてほしい・・
ということで・・新しい講座を作ることにしました!!

そもそもデザートやアントルメは、郷土菓子や宮廷料理などをモチーフに、
プロやお母さんたちが、工夫を凝らして、創造してきました。
その工夫や努力の結果が今のお菓子たちです。
その地域、各国によって様々な発展をしてきました。
そこに楽しさや魅力が個性的に現れていると感じています。

フランスにはフランスらしいお菓子たちがいっぱいあります。
10月より、「フランスコレクション講座」と銘打ち
技能のランクは問わずフランス菓子限定の講座を開講いたします。
たとえばメニューは
パリの季節のフルーツのコンポートを使用したタルトシブースト
プラリネクリームのガトードマリジョレーヌ
パリブレスト、カリカリのエクレア
多彩なヴァリエーションのマカロンドパリ、味わい深いダックワーズ
焼き栗から作ったモンブラン、リンゴとカラメルが濃縮されたタルトタタンディモアゼル
ボルドーの知恵の結晶、カヌレドボルドー、気品漂うオペラ、クレームブリュレ、フレジェ・・・など
フランスらしい一品たちを厳選しお贈りします。
いづれもシェフが自店でで作ってきたメニューばかりです。
フランスの名品にシェフのこだわりの素材や技能がいっぱい詰まったお菓子たちです!

思えば、20代前半に私が、パティシエの端くれにやっとしがみついた頃、
当時はとても希有なフランスからM.O.Fシェフが日本にに来られて、
幸運にも日本での講習の助手をさせていただいたことがありました。
めくるめく本場の技術と美味しさに圧倒されつつ、必死で目の前のすばらしいアントルメやデザートに
一生懸命取り組んだことが、後にすばらしい財産になりました。
本物に触れること。それは、かけがえのない感動と経験になる物です。
感動には技能のレベルは関係ありません。是非、本物の美味しさと感動を皆さんに味わっていただきたい。
レシピは、フランスそのままの郷土菓子から、私なりに考え抜いて追求したフランス菓子まで、
納得のいく練りに練られた逸品をラインアップしました。

また、イタリアコレクション、ドイツ・スイス・ウイーンコレクションと
開講していきたいと考えています。
それぞれの地域や国、時代のお菓子の楽しさを感じていただけるようになればとても嬉しいと思います。




 ●メンバーの方に新特典。   Kasuga 2007/09/15 

 
 前回お伝えした、日頃の生徒さんの熱心さにお答えする物として、
何がいいかなと色考えました・・・。 

それで此処はやはり、皆さんがもっとお菓子やパンに親しんでいただくための特典が良いかな〜っと・・・。
材料をもっとリーズナブルにお分けすることにしました!
ちまたに素材料を販売しているお店は、多いのですが、品質や価格、品揃えに難のあるショップが多いようですね。
ウチもネットショップを開いていますが、原価ではなくネット特有のコストの制約が多くなかなか安くできません。
でも、シェフたる者、材料をいかに吟味して、また安く仕入れるかも、その資質の一つと考えています。
そこで、此処に通う生徒さんにだけ、限定で材料を思いっきり安く分けてあげることにしました〜!
ただし、コストをかけないようにするために、価格表をアトリエにおいておきますので、
メンバーの皆さんは、受講時に自分で計量して、パック詰めをして精算してお持ち帰り下さい。セルフサービスですね。
長く熱心に来ていただいているメンバーの方にには、さらに安くしようかナーと思っております。
たとえば、レギュラーメンバーの方には、
マダカスカル産ブルボンヴァニラビーンズ20センチ1本・・・120円
四つ葉無塩発酵バター1ポンド・・・540円
増田製粉・特宝笠、薄力粉 1キロ・・・168円などなど・・・
スペリュールメンバー(スペリュールディプロム取得メンバー)の方はさらに10%OFF!
安いな〜・・・と思いつつ、メンバーさんへの感謝です。

もともと、私はパティシエなので、素材を販売して儲けるって言う考えは、あまりなく・・・。
皆ザンに楽しんでいただければいいかなと・・・決してボランティアじゃないですよ。
今以上に、講座やイベントに参加していただけると嬉しいです。よろしくお願いします。




 ●あついですね・・・感謝です・・。  Kasuga 2007/09/04 
  
 
 まだまだ 毎日暑い日が続いています。
猛暑の酷暑ですね。こう暑くてはとてもお菓子やパンどころじゃないと思いつつも
受講者の方は春先にも増して多数、来校下さり、新しいゲストもたくさんご入会いただきました。
皆さんの熱心な姿勢には、頭を垂れる想いです。
いよいよ今月でご入会特典も終わりなのですが・・
せっかく皆さんに喜んでいただいているので、このまま続けようか・・・
新たな特典を設けようか・・・・思案中であります。
また、生徒さんから先生、欲がないといわれるでしょうが・・
ホント暑いのに、たくさん来ていただいて嬉しく思います。
美味しいお菓子と緻密な理論に磨きを一層かけて、皆さんにわかりやすく伝えるよう
皆さんがより、お菓子やパンや料理を通じて、日々の暮らしを楽しく過ごせるように
私も暑さに負けず、がんばります。。

まずはお礼にまで。
春日玖一巳

 
 
●夏ですね。凝固剤について Kasuga 2007/08/09

毎日暑い日が続きます。
この季節、冷たく冷やしたデザートやお菓子が美味しいですね。
そこで今回は、ちまたに溢れる凝固剤を、簡単に分類して特徴を書き込みます。

一般的にお菓子に使われる凝固剤としては、ゼラチン、寒天、でんぷん、ペクチンなどがあります。
まずゼラチンの特徴は、透明性に優れ、弾力性があり、低い温度で固まり低い温度で溶け、
凝固と溶解が温度により繰り返されることです。
約15℃で固まり、30℃くらいで溶けてしまいます。成分は動物性のタンパク質から出来ており、
豚や牛の骨やけん皮などから主に抽出されます。このために酸に含まれる分解酵素に耐性が低く、
固まりにくくなります。しかし、逆に低温で溶ける性質は体温で溶けるため口溶けが良く、酸に分解されることは、
胃酸で溶け、おなかにもたれない。食後のデザートや食欲のない夏には最適です。
使用法は、吸水させてから40℃以上の液体に入れ溶かせばOKで、
常温以下に冷やしてから型に流します。

寒天は、昔から日本でも良く使用されますが、海藻から抽出される水溶性の食物繊維で、
高い温度で固まり高い温度で溶解し、温度によって凝固と溶解は繰り返されます
純粋な寒天は透明度も弾力性も乏しく、酸や煮沸によって、多少影響されるのですが
それらの欠点を改良した、寒天がカラギナン製剤やアガーと呼ばれる物です。
日本におけるアガーやカラギナン製剤は、酸や煮沸による劣化を防ぎ、弾力性、透明度共に高く改良されています。
ただその性質の詳細は各メーカー仁よって異なり凝固点(35〜65℃)と溶解点65〜80℃)もばらつきがあります。
総じて炎天下でも冷やしてもその食感や弾力性に変わりなく扱えます。
このためテイクアウトなどのグラスゼリーなどの飾りにきらきら輝くゼリーなどはほとんどがアガーを使用しています。
ただ、その性質、成分上のどごしが良くても口溶けは悪く、胃で分解されず腸に達するため
おなかのもちが良いという結果になります。
使用法は、玉にならぬようグラニュー糖などに混ぜてから50℃程度の液体に入れ沸騰させ、
固まらぬ内に速やかに型に流します。

でんぷんは穀物や野菜などから採取されるいわゆるでんぷんで
コーンスターチや片栗粉、くず粉、ワラビもち粉などがそれです。
こちらは熱により変質凝固(82℃〜)させるために、一度固まると溶けることはありません。
そのため独特の粘りや腰を感じる食感になります。一度凝固した物は撹拌によりクリーム上になり
再び固形化することはありません。ただ、独特の食感で近年、デザートにも多用されていますが、
これも胃で分解されないために、デザートと言うよりは、おやつに向いていると思います。
使用法は、玉にならぬようグラニュー糖などに混ぜてから冷たい液体に入れ、
火にかけ撹拌しながら沸騰、凝固させ、冷えない内に速やかに成形します。

ペクチンも古くから使用されている凝固剤ですが、ゼラチンやアガー、でんぷんとも異なり、
温めたり冷やしたりしても固まらず、高温で糖と酸に反応して凝固します。
フルーツの皮や種の部分に多く含まれており、フルーツのジャムは、
含まれるペクチンを糖分と酸味で反応させて固めるもので、
より堅くするために糖分と酸を添加します。純粋ペクチンの使用は非常に難しく
庵を入れるタイミングや煮詰める温度、作業の手順によっても出来上がりの固さが異なり
使用はペクチンミックスやジャムベースといった、ペクチン製剤を使用すると比較的安定します。

代表的な凝固剤は、それぞれに特徴があり好みも様々です。
最近では成分の効能や昨日なども良く取り上げられます。
ゼラチンのコラーゲンや寒天の食物繊維の洗浄効果とかですね。
これらを組み合わせて、独自の食感や味わいを実現してゆくのです。
この中でゼラチンと寒天は併用できない(分離することが多い)ので気をつけて下さい。
このほかメーカー各社、様々な凝固剤を研究開発し商品化しています。
その凝固剤が、ゼラチン系なのか寒天系なのか、でんぷん系、それともペクチン系なのかを
見極めて製法、レシピーを作り分けて下さい。

プルプルのヒンヤリのチュルルンが、いいですよね。。。




●よく質問されること、集めてみました。 Kasuga 2007/07/12

今日は日頃生徒さんや、問い合わせの際に、質問されることが多いことをまとめてみました。
これから習いたい方は、ご参考にしてください。
Q.
どんな講座があるのですか?

A.
欧菓子の講座はレギュラー講座と集中講座、
特別追加講座から構成されています。
レギュラー講座は、講座数が多く設定され、
初級、上級とも月二回、参加していただき、初級は24回で修了です。
集中講座は、全12回で、初級、上級のカリキュラムを修了できるように設定し、
初級修了後上級に進級していただけます。
いきなり上級にも参加可能ですが、初級修了者には割引(S割引)があります。
特別追加講座は、スキルアップやリクエストにお答えする講座で、月に4講座設けています。
専科講座は、田舎パン、菓子パン、テクニカル、郷土菓子、
天然酵母パン(夏期限定)、ショコラ(冬季限定)の
各ジャンルに分けて規定回数にて開講しています。

Q.
レギュラー講座と集中講座の違いは何ですか?
A.
F初級のレギュラー講座は、月二回で、計24回で修了です。
内容は基本やバリエーションのお菓子のほかに、
ヨーロッパの郷土菓子を毎回習得していただきます。
集中講座では、より効率よくアイテムを限定して
お菓子の基本とバリエーションを習得していただくために、
おひとりですべての行程をしていただきます。
その分内容は濃く受講時間も長いですが、
短期、あるいはご自分のペースで受講が可能です。
上級の集中も、おひとりですべての行程を制作していただくために、
かなりのスキルアップが図れると思います。

Q.
1講座の人数はどれくらいですか?
A.
少人数制で(2〜6人)レギュラー講座では
2人一組で90センチ×120センチの大理石のテーブル〔3台有り)
を一台使用していただき余裕を持って、お菓子制作をしていただくようにしています。
集中講座はおひとりですべて製作していただきます。

Q.
現在どれくらいの生徒さんがいらっしゃいますか?
A.
月に1回受講される方や、色々な講座を5〜6回受講される方など、
生徒さんによって受講回数は様々ですが、
北浜では、一月、のべ80〜90名くらいです。
まだ曜日や講座によっては、ゆとりがありますね。

Q.
どんな方が来られていますか?
A.
様々ですね。全くの初心者の方、お菓子やパンを
単純に楽しみとしている趣味の方、
教室をしている方、カフェなどを経営してる方、
パティシエの方も勉強やメニューを増やすためにも来られています。
共通しているのは、お菓子が好きで、パンが好きで何かを学ぼうとする方ですね。
経験値の違いは、関係なく皆さん楽しく受講していただいるとおもいます。

Q.
入会に際しての特典はありますか?

A.
通常入会されると、シェフがずっと使用している、
スエンガーのフルーツナイフを差し上げています。
メンバーになるとシェフが吟味して使い続けている厳選素材を
ネット販売よりもお安い特別価格にてご購入できます。
他では入手困難な、シェフが直接買い付けているレアーな材料もありますよ。
そのほか季節により、いろんなキャンペーンを実施していますので、
HPやメールニュースをチェックしていただくと
思わぬ特典があります。
プルミエール初級、スペリオール上級課程のディプロムを取得するごとに
さらに特典はグレードアップしてゆきます。

Q.
料金のシステムは、どうなっていますか?

A.
入会金として、5250円を頂戴しています。
以降6ヶ月ごとに管理費として、1050円が必要です。
受講料は、毎回現金でもマスターチケット(50000円・100000円)
を購入されての納入、どちらでも可能です。
チケットにはそれぞれ、特典があります。
専科講座も単会受講もセット受講もどちらでも可能ですが、
セットチケットは割引価格になります。
専科講座のセットチケットをマスターチケットから購入もできます。

Q.
退会や返金はどうなっていますか?
A.
音信不通の状態で一年が経過すると、退会とさせていただいており、
再入会していただく規定になっています。
休学の場合ご連絡いただければ、退会手続きはいたしません。
チケット購入代金は、チケットの残額に応じて返金させていただきます。
チケットの有効期限は3年です。
入会金、管理費の諸費用に関しては、返金はさせていただいておりません。

Q.
先生が心がけている、講座においてのお考えは何ですか?
A.
ちまたに溢れる、お菓子や料理の講座との違いはわかりません。
 しかし、本来「習う、学ぶ」と言うことは、講師の経験値が高く、その知識や技能や人間性において、
習う側が、習いたい物を得ることと思います。
私も大人数で講習として講座を開くこともありますが、ここ北浜アトリエでは、それぞれの学びたいこと、
あるいは必要なことを考えて、一人一人に接する事を心がけています。
 それは、ホイッパーの持ち方から扱い方まで、細かく指導することもありますし、完成度が高い方は、
さらにプラスになる様に、個人の補正や一層のレベルアップをして行きたいと考えています。

 先日も大阪ガスのアプリティセサモの関西地区講師の方のための講座を大阪ガス本社でさせていただきましたが、
みんなそれぞれ、お菓子や教え方などに疑問や希望があるわけで、それに答えてあげる事が、講師としての条件と思います。

ここに来られる方は、「先生よくしゃべる。」と言われます。説明が多いと言うことらしいです。
自分では、いくら説明しても足りないくらい、伝えたい事が、まだまだあるんですけれど・・・
一方的な、講習会ではなく、一人一人が確かに習得できる講座を目指しているつもりです。
もちろん自分自身、まだまだ、お菓子やパンを突き詰めていきたいと願っています。

他にも、様々な疑問ありましたら、お寄せ下さい。
お菓子やお料理、パンが皆さんの生活において、食べることも作ることも楽しいアイテムになることを願っています。




●カトルカールの美味しい作り方。 kasuga 2007/07/03
 いよいよ、お菓子のメカニズムを公開していきましょうか。
少し長くなりますが、興味のある方は、おつきあい下さい。
今回は基本の焼き菓子ですが、簡単そうでメカニズムを知らずに、出来が悪くなりがちな、
カトルカールの製法を説明しましょう。その製法は地方やお店によって様々ですが、
ここではバターを常温で空気を含ませて泡立てる方法(パウンドケーキ)を説明します。
今回はカトルカールの生地の「均質化」がキーワードです。

  • 配合
    バター  100
    全卵   100
    上白糖  100
    蜂蜜   10
    薄力粉  100


製法
1.バターや素材をすべて常温(20℃)にします。
 柔らかくなったバターをハンドミキサーで白くなるまで抱気させ、
 砂糖と蜂蜜を加えてさらに撹拌して、バタークリームのような状態にします。

2.よく溶きほぐした全卵を?に1/4ほど入れてまた撹拌します。
 全体がきれいに混ざったら、ふるっておいた薄力粉を1/4入れハンドミキサーで
 撹拌空気を加えます。

3.薄力粉が完全に混ざったら、残りの卵を1/4入れて、さらに撹拌、
 混ざったら薄力粉1/4を入れて撹拌・・・混ざったら、卵・・混ざったら薄力粉・・・
 これを繰り返して、卵を薄力粉をすべて混ぜ合わせます。


よくわかる解説
今回のカトルカールは、バターに空気を含ませて、よりふんわりさせる方法です。
まず、この方法では、バターは冷えすぎても温めすぎても、生地中で分離するので、
バターを常温にして空気を抱く固さにして、ハンドミキサーで空気を加えてゆくます(注・抱気)。
ほかの素材もすべて常温にします。
砂糖を加えてさらに抱気させた、バターに卵を数回に分けて入れる方法がありますが、
これはベストではありません。少しずつ卵を加えてゆくと、油であるバターと水分を多く含む全卵が、
分離してしまう可能性があるからです。バターは抱気させることにより、
空気の部屋が出来て、そこに水分を蓄えることが出来るようになります(保水力)。
バターと卵を撹拌させながら「乳化」させてゆくと説明する人が多いのですが、
撹拌しても常温の固形油のバターと卵はすぐには乳化しません。

まずはバターの空気の部屋に「収納」したり、吸水性の優れた砂糖が卵を吸収し、
後に撹拌することで徐々に一部が乳化します。
現に抱気させない砂糖の入らないバターには撹拌しても卵はなかなか混ざりません。
ただ、空気の部屋や砂糖の吸水力にも限りがあるので、抱気させながら、
少しずつ卵を混入しても、バランスが少しでも崩れると分離してしまいます。
一度生地中に分離した、油と水はなかなか「均質化」することが出来ないので、
抱気したバターの水分「収納」と砂糖の「吸収」だけに頼る製法は慎重に作業をしなくてはいけません。
そこで、もう一つ「均質化」させる作用。小麦粉の吸収性を利用します。

小麦粉にはもともと、水や油分の吸収する性質があります。それを利用しながら、生地を均質化してゆくのです。
卵と小麦粉を交互に混入する事で、余分な水分をバターに直接均質化させるのではなく、
小麦粉に吸収させて生地中への分離を防ぐのです。ただ必要以上のグルテンを出してしまうと、
膨らみや軽い食感の妨げになります。ですから必ず小麦粉には油を吸収させて、卵を吸収させます。
卵の分離だけを考えると、卵と小麦粉を合わせてから生地に混ぜたり、
卵が混ざる前に小麦粉を交互に入れたりしますが、それではグルテンが出てしまいます。
 常温の固形油のバターに小麦粉を混入すると油分が吸収されます。
固形状のバターの中では小麦粉の吸収力のすべてには油分は即座に染み込まず、
まだ吸収力のある小麦粉が混ざった生地に卵を混ぜると、余分な卵が小麦粉に吸収され、
小麦粉には油分と卵が吸収されることになります。
油分を吸収した小麦粉はグルテンの形成率が低下し、ソフトな焼き上がりになるのです。
小麦粉に油分を吸収させる方法は、油分の分散を防いだり、グルテンを形成しにくくしたり、
目的は様々ですが、お菓子では比較的多用される特性です。

分離ぜず均質化した生地を、さらに撹拌することで、全体が少し乳化し、さらになめらかな生地に変化します。
蜂蜜を混入したのは、最近ケミカルな糖質を安定剤や保湿剤として混入するレシピーが多いのですが、
できるだけ素材は昔ながらの物を使いたいので、蜂蜜を混入することで、安定性を増しています。

びっくりするくらい、きれいでなめらかな生地になっているはずです。簡単でしたね。
綱渡りのような、危険を伴っていた作り方も、素材の力を利用することで、容易に実現できるのですよ。
最近、なんでも「乳化」「乳化」と説明する、シェフが多いのが気になります。
お菓子は、乳化だけでなく、いろんな現象が複合的に作用し、作り上げるのです。
それが難しく考えさせるんですね。今は理論を重視しすぎて、知らないとはいえ、逆に足りない説明が多いようですね・・・。
もう一度できあがりを重視してほしいですね。美味しいか・・美味しくないか・・ですね。
でも、解説に比べて、製法は短かったでしょ。
それが、お菓子の深〜い楽しさなんです。

(注・抱気)
撹拌による全卵や卵白が風船のような気泡を形成する性質とバターや卵黄、生クリームなどに空気を抱かせる性質が異なるので、
全卵や卵白を泡立て、バターや卵黄、生クリームを抱気と区別しています。




●教え方・・。 Kasuga 2007/07/01

私の講座を受けて下さる生徒さんの感想として、よく「私の教え方は、
ほかのシェフや本と違う。」といわれます。何が違うのでしょう・・・。
出版物には文字数の制約があったり、紙面の構成上、写真を増やしたり、楽しさや美しさが要求されるでしょうから、
ある程度の省略はやむを得ないですね。
 同じように大人数での講習会も、一通りの作り方を時間やコンセプト、協賛などの枠の中で、
説明しなければなりません。以外にこの制約が伝えるのに邪魔になることが多く、
このような外的な要因だけでなく、店のやり方の通りだとか、
プロの器具類の作り方しかしたことがないとか、講師の内的な制約も大きく影響するようですね。
 ヨーロッパから遠く離れた、日本では当然洋菓子の歴史は浅く、
伝えられた順番に日本の文化として根付いています。それに、ここ50年の調理器具の電化と研究はすさまじく、
何百年も受け継がれた作り方を、現代のプロたちが、現代の機器やハイテクで作られた素材で作り直し
、新たなルールを作っている途上といえます。
「伝えられ、工夫して、作り直す。」その繰り返しが、物作りを確立し発展させてゆくのです。
このプロセスにおいて迷いが生じるのは、当たり前のことですね。

私も駆け出しの頃と今とでは、習った方法とまるで違う作り方や考え方をしている物も少なくありません。
かといって、教えてもらう側にとっては、プロなんだから正しくて当たり前と、思われていますし。
職人としてもプライド高く、正しい知識を持たなければなりません。
この、制約や迷い、講師の個性によって教え方が違うんでしょうね。
ただ、不勉強や慢心による、知識不足を経歴でごまかしている様では、困りますが・・・。
ヨーロッパのお菓子は、和菓子にも共通することが多く、古くからの人々の知恵と工夫のたまものです。
プロのオーブンや石釜、ガスオーブンや電気オーブン、ハンドミキサーや卓上ミキサー・・
何を使っても、素材を知り、操ることは同じです。
「なぜそうなるのか。」「やり方はどうすればいいのか。」を理解できる理論と実感で伝えることが出来てこそ
、「教える」事が出来ると思います。
聞くだけなら、本でいいですね。
「何でもちゃんと答えてくれるから、うれしい。」これも、生徒さんからよく言われることですね。




●ずいぶん前のことですが・・。 kasuga 2007/06/26

最近ほかのHPを見て、お問い合わせをよくいただきます。
その中で多いのが、「Tedukuri」というサイトで、お菓子作りの疑問や回答が、
丁寧に初心者にもわかりやすく一問一答形式で、乗せられています。
もう8年くらい前に、一度シュークリームの作り方の覧で、少しアドバイスをと、書き込んだ事がありました。
その記事をサイトの運営の方が、まだ残して下さっており、それを読んで、
こちらの教室に問い合わせを下さる方が、いらっしゃいます。
皆さんも時間があれば、見てみて下さい。
僕のコメントのほかにも、色々な質問が飛び交い、楽しいですよ。
http://tedukuri.com/cgibin/lng/wwwlng.cgi?print+199910/99070002.txt
ここは、私の書き込みがあるページで、ホームは、
http://tedukuri.com/
こちらになります。
やはり、魔法のようなお菓子作りをきちんと理論的に説明してほしい方が多いようですね。
このブログでも、少しずつ理論やメカニズムを公開していきます。




●オーブン Kasuga 2007/06/05

なかなか、書き込みが出来ず、反省です。
今日は生徒さんからも質問の多い、オーブンの話をしましょう。
皆さんの疑問の中で、一番多いのはどんなオーブンを購入すればいいのかですね。
ガスや電気、蒸気が出るタイプ、果ては水で加熱するなど、各社様々な様式や機能を開発されています。
私が生徒さんに勧める目安は、いくつかありますが、まずは、どれくらいの頻度で量を作るかです。
一度にたくさん焼くなら多段焼成が可能な、オーブンですし、家族の分だけなら一段で天板の大きい物がいいですね。
電気オーブンは二段同時に焼けると書いてあっても
上段と下段では温度差もあり、二枚焼成時と一枚時では明らかに違う物が多いですね。
センサーで管理しても、加熱の構造上、家庭用の電気オーブンでの均一な多段焼成は難しいです。
ガスオーブンは、火を燃やすという加熱方式上表面の乾燥や焼き色の付きすぎなどはありますが、
それらを温度調節で工夫すれば、ムラなく2〜3段は焼成できます。

そもそも、その昔オーブンは薪を石釜に入れて温め、その余熱で焼く、という物でした。
その石の遠赤外線が、パンやお菓子にいい影響を与えるのですが、昨今のプロ用オーブンは機密性が高まり、
遠赤外線やコンピューターで温度管理し、蒸気が注入できたり、多機能で高性能な物が主流で魔法の箱です。
それは研究の結果そこに至ることになるのですが、焼くという作業は、加熱し熱変質を起こさせて、
膨らんだり、固まったりさせる。それだけなので、シンプルな方がいいと感じています。
どんなオーブンでも「何度で何分」を頑なに信頼しすぎず、自分の目で美味しそうと感じて、火加減を調節するのが大切です。
お菓子もパンも料理ですからね。魔法に頼りすぎず、腕を磨くことがどんなオーブンでも美味しく焼くコツです。
オムレツは何度で何分とは焼きませんよね。

・・・ちなみにここでは、5段ガスオーブン2台で、ほぼすべての物を焼いています。




● kasuga 2007/06/05

それぞれの人のお菓子や料理に対する想いに、すこし役だっているようですね。
ティラミスというバランスのとれた完成されたデザートを、マスカルポーネや生クリーム、
エスプレッソやレモンの風味、チョコレートなどの印象を損なわず、苺を際だたせて存在感を持たせる。
やたら、味わいが突出するメニューが多い中、バランスと完成度を大切にしたつもりです。
ちまたでは、残念ですがバランスの悪いティラミスが多いですけどね・・・。(辛口)

ティラミスだけど苺味。苺味だけどティラミス。。。。そんな感じですね。
僕が修業時代から現在に至る中で、知りたかったことや教わりたかった方法、今だから判る意味などを皆さんに伝えているつもりです。
自分なりの楽しさや発見をこれからも大切にしてください。
 リクエストのガトーバスクは郷土菓子の講座に、キッシュは一月にやりましたね・・・。
また考えます。いろんなバリエーションがあるので、、近々開講しましょう。





●楽しんで努力します! メンバーH・S 2007/05/01

先日はお世話になりました。毎度のことながらお土産は夫に大好評でした。
簡単に手に入るティラミスが、先生の魔法で味わったことのない驚きの味覚の世界へ連れて行っていただけました。
気まぐれのようにレッスンを受けてる悪い生徒ですが、先生のレシピ解説や工程の意味が分かりやすく、
お菓の暦史とかも伺える、お話の時間が好きで教室にしがみついてます。
音楽に例えられたお菓子作りのお話は、なるほどと思ったうえに嬉しくなりました。
実は子供ができるまで音楽と関わっていました。上手くなるために辛い時間は必要であったけど、
音苦にはしてはいけないといつも思ってました。
先生のストーリーを頭にかすめながらだとこれからまた違ったお菓子作りの時間が持てそうです。
ナッペ講習はもっと精進?してからにします。
リクエストです!キッシュのアンコールとガトーバスクが勉強したいです。




●上手に作るということ・・。 Kasuga 2007/04/27

お菓子を作るということ。
たくさんのレシピーや作り方を紹介されただけで果たして、お菓子を作るといえますか。
そもそも、物作りを学ぶということは、楽しむことはもちろんですが、作り方や技術の傾倒を深める事と考えています。
日頃、皆さんに繰り返してお伝えしている事。それは、「上手に作りましょう。」です。
上手になるためには、「努力してください」とも伝えています。
 お菓子に限らず、先人が培った、知恵や技法を習得する事は、簡単ではありません。
しかし、道の中で習得しては見えてくる、ヒントやコツは、素直で正直にありのままに素材の特性を工夫したものです。
そのすばらしい答えにたどり着くために、少し努力して、上手くなってほしい・・。
見えてくる答えも、上手くなればなるほど、豊かに膨らむのです。
 
お菓子や料理を作る事を、よく音楽に例えます。
双方まずは心地よい旋律や味に興味を持ち、聴いたり、食べたりしてみます。
それだけのスペシャリストになる人もいますね。
しかし、人は、自分で表現する喜びを感じてみたくなります。そこで、実際に奏でたり、作ってみたり・・・。
はじめは、チンプンカンプンだった、スコアやレシピも、テンポや音階、素材が判り、演奏方や表現、
作り方が見えてきて、創った人の考えや想いまでもが伝わってくる。
お菓子のレシピには、配合のほかに作り方や、作った人の環境や考え方、果てはお国柄や時代背景なども見せてくるのです。
 はじめの一歩は、真似をすること。決められた作り方や配合できっちり作ります。
それには、ストップウオッチで時間を計ったり、混ぜ方や道具の持ち方まで、細かく決めています。
でも、メロディや味が奏でられたら、自分なりの理解度で演奏法や作り方、表現を読みとり、
スコアやレシピーを見て、考え、作り、演奏して、自身の進歩を楽しんでほしい。

 もともと和菓子や和食で培われた素材感覚や技術・作法に関する食文化水準の高い、日本の洋菓子作りは、
ヨーロッパで生まれたお菓子にも、本場に勝るこだわりを持っています。
スポンジのきめ細やかさや、甘さや香り、インパクトや後味、に関する感覚などです。
それらに、答える技法や知識にこだわりが、日本の洋菓子作りには存在するのです。
 きめ細かい泡を自由自在に作る、粘りをどう操るのか、絶妙な焼き具合を実現するには、
味のバランスの組立、何に注目すればいいのか、そもそも道具はどう使えばいいのか・・・。
 同じレシピーでも、もっと「上手に作ってほしい。」そうすれば、もっと、もっと美味しくできるのです。

奏でる楽曲が、演奏者や指揮者で変貌するように、自分の中のお菓子を確立し、
同じお菓子を最高に美味しく奏でてほしい。
そう願っています。




●コンフェランシエール Kasuga 2007/04/01



●生チョコ Kasuga 2007/03/10

もう3月 、今年は暖かく桜の開花も早いみたいですが、教室で多かった質問から、生チョコの作り方を解説しましょう。
 生チョコとはガナッシュといわれ、チそれはチョコレートと液体を混ぜ合わせたクリームのことで、
生クリームとか、果汁とか、ワインとか、アングレーズ等の色んな液体でチョコレートを溶かすことよって味は変化し、
チョコとの比率によって出来上がりの固さは、柔らかくも固くも変わる物です。
 生徒さんからの質問の多くは、「本とか先生、シェフによって作り方が違う!」って事なんですが、
クオリティーの高いガナッシュは、滑らかな食感に「乳化」したの物です。
「乳化」とは、水と油が結合した状態です。いわゆる生クリームの状態、だから乳に化すって事ですね。
この乳化したガナッシュは滑らかで美味しい。
ですから人によって違う作り方は、総て美味しくできているのなら、乳化のさせるアプローチが違うって事ですね。
同じ乳化させる食べ物で代表はマヨネーズ。でもマヨネーズには様々な作り方はありません。
では何故ガナッシュには、様々な作り方が有るように感じるのでしょうか?

 まずは、様々の出来上がりの状態=様々な配合があるからです。
しかし、乳化させるポイントはひとつ。ですからそのツボさえ押さえれば、ガナッシュは美味しく「乳化」するのです。
そのツボとは、温度と撹拌です。
 油分を含むチョコと水分を含む液体を乳化させるには、チョコレートやバターなどが均一で滑らかな温度(38〜40度前後)で、
撹拌すること。それだけです。それさえクリアすればいいのです。
配合比率によっては、液体だけを温めて常温のチョコと混ぜたり、又は両方温めて混ぜたり、
細かく言えばどちらかの法に入れるかの違いでさえも、傍目には総て、作り方の種類に写るのです。

 もちろん、乳化を効率よく促す順番や、配合もあります。
乳化を促す素材、水飴やバター、お酒など・・それらを組み合わせてより滑らかにしたり、また風味よく仕上げて行きます。
乳化させる撹拌も注意点があり、なるべく空気をいれず早く混ぜること。
ガナッシュは空気が入ると、固くなり、作るときはできるだけ空気を混入させないように撹拌します。
固めたければその後、常温で撹拌をしてその固さを調節します。
柔らかいガナッシュを撹拌して固めれば、口の中で倍速で溶けて行きます。美味しそうですね。
 アプローチは配合の分だけ自由!でもツボは、必ず押さえてくださいね





●おかげさまで一周年。 kasuga 2007/02/21

此処、大阪北浜でアトリエをオープンして、もう一年が過ぎようとしています。
 様々な人達に支えられての一年。店舗ディレクトリーや教室、ネットショップなどに明け暮れた一年でした。
欧菓子講座も、初めて一般の方に教えさせていただいて、もう15年に成りますが、
此処4〜5年の教室ビジネスは、著しく激増した、専門学校や有名シェフの講座、
フランスそのままのレクチャーなど、またそれを経た個人でのプライベートスクールが溢れ変貌しました。
 それに伴い、本来のお菓子の基本や面白さ、長い歴史の中で培われた工夫などを伝えるということが、
全体として微妙なズレを生み出していると感じています。
今何が必要なのか、何を求められているのか・・・それは、流行やメディアによって簡単に先導される事でしょう。
しかし、お菓子や料理の根の部分で、必要なこと。それを伝えること。それを認識する一年でもありました。
その事を、しっかり認識して、皆さんに接して行きたい。
 新たな春に想うこと、 私もまた新たに成長して、もっとお菓子の面白さに触れたいと願っています。
結局毎年、同じ想いに行き着く・・・春ですね。




●チョコレート kasuga 2007/02/07

等アトリエでもバレンタインのチョコレート作りが真っ最中ですが、
チョコレートについて少しアドバイスです。
チョコレートの難関は、テンパリング(温度調節)ですね。
チョコレートが素早く、艶よく、食感がとろけるように固めるために
チョコレートの成分であるカカオバターを安定した結晶構造になるように温度調節をすると言うことなのですが、
これが最初はちんぷんかんぷん。
色んな本やメディアで説明されていますが、チョコの温度を45度にあげて、26度に冷やして、また30℃に上げる・・・。
多くはこの様な説明ですね。しかし、これだけではブルーム(固まったチョコの表面にでる白い模様)がでたり、
型から抜けなかったり、失敗は否めません。
そもそもこの冷却法は長い時間をかけてゆっくり撹拌しながら温度調節することで、
安定した結晶を作る方法なので、少量を作業する場合には向きません。
温度調節もチョコの成分によって若干異なり、温度によるテンパリングは出来映えが難しくなるのです。
僕達はチョコレートを扱うときにほとんど温度計は使用せず、そのチョコの溶けた色や固まり方、
溶け方で状態を判断し最適な状態を作ります。
簡単に言うとチョコ自体の融点と凝固点が大切で、融点に成れば固まっているチョコは溶けて、
凝固点になれば溶けているチョコは固まり始める。それを見極めることです。
そこで少量でも出来るテンパリングの方法をひとつだけ、紹介します。

まず使用するチョコレートを削り6割くらいを45度に溶かします。
そして残ったチョコレートを加えながら溶かして行きます。
チョコレートは常温(20℃)なので、当然温かいチョコは徐々に冷えて行きます。
チョコレートの融点まで加えたチョコは溶けて、融点を下回ると溶けずに残ります。
チョコを加えても溶けないことをしっかり確認して、この残ったチョコの固まりが溶けるまで
ぬるい湯煎や遠火の直火でゆっくり撹拌しながら温めてください。(温めすぎないように)
それで完成。後は30℃にぬるい湯煎などで温度を保ち、冷やした型に流したり、
センターにコーティングすればビックリするほど上手に出来ます。

もちろんこの方法も色んなメカニズムや注意点はあります。ココでそれを書き始めると、
終わらないので要点だけにしておきます。他にも電子レンジで溶かす方法もありますが、またの機会に・・・。
それでは、愛する人のために?バレンタインのチョコつくり頑張ってください。




●Pain Kasuga 2007/02/02

今日は少しパンについてお話ししましょう。
書店に並ぶパン作りの本、手に取ってみると、どれも美味しそうな色と形、作り方も様々です。
そこでどんなレシピーだろうとレシピーを見てみると、本格的なテキストほど配合比率
、粉に対しての材料パーセント(ベーカーズパーセント)が表記されています。
パンを比較する上でさも大切そうに各配合に記されています。

日本でパンを学ぶとき、世界中のパンをひとつのジャンルで学ぼうとしてしまいます。
しかし、それぞれの国や地域においてパンは、生活や環境に根づいて日常的な物。
日本で外国産のお米を食べない人が多いように、その地域では自分達の好むパンを食べます。
素材もその地方でとれた物を使用しマス。同じ小麦粉で精製度を変えて、タンパク質量を変化させたり
酵母の個性において澱粉の量で膨らみが変わったり、全粒分を混入して食感や風味を変えたり、
ライ麦を配合するのライ麦酵母を使って独特の酸を加えたり、数少ない素材を長い歴史の中で工夫してきました。

現代のパン作りは、世界中から小麦粉を集め、塩を水を酵母を使い分け、捏ね時間を決め、温度を設定して作ります。
それはとても大切なことで、私の講座でも小麦粉や酵母など数種類を使い分けています。
しかしココに落とし穴があり、粉を使い分ける事で自在アル程度上がりを調節でき、
風味や味わいも塩や発酵時間や温度などで調節できます。
確かに多彩で美味しく楽しい出来映えですが、これらはあくまで、私の好きなスタイルを出ま先。
与えられた環境で工夫と習慣によって育まれたヨーロッパのオリジナルまでは至らないのです。

一番大切なのは、粉と向き合うこと、酵母と話すこと。
捏ねながら手に感じる「張り」や「コシ」「粘り」「コシの切れ」「伸び具合」これらを手で感じること、
それが生地からのメッセージで唯一の作り方です。
配合比率の違いは、風味や食感や膨らみ方を操る楽しい手段です。
レシピーを見てまずはパンを理解し想像して、捏ねて実感して、生地と話す。
それが僕の教えるパン作りです。
講座では、必ず一人小麦粉250gの生地を手で捏ねてもらっています。
最初は辛いようですが生地からのメッセージを受け取るには、適当な量だと思います。

世界中の沢山の人が、長い歴史を重ねて工夫したパンの楽しさに是非触れてみてください。




●ズッコート 春日玖一巳 2007/01/14

スッコートとは、イタリア語で修道僧の帽子の意味。
その形が半球状で、白と黒の色使いをしてその名前を冠します。
中身は生クリーム、ナッツ、ドライフルーツ、チョコレート、ケーキクラムなどを混ぜ込んだ
クレームを作り、詰め込んだ物です。
今回、マスターズの集中講座にて、おりじなるのズッコートを製作しました。
クリームには、マスカルポーネを練り込み、カシューナッツ、松のみ、マカデミアのプラリネ、
ビタークーベルチュール、大粒ラムレーズン、等を混ぜて、模様も綺麗な矢羽模様に組み立てました。
イタリア菓子は、その斬新な発想が特徴ですが、一見無謀にも写る、その製法やレシピーも、
作り上げると繊細で説得力のある味わいを実現します。
やはりイタリア人の発想と物作りに対する完成度が伺える逸品ですね。

また時折、講座のお菓子の、説明や授業の内容などを御紹介していきたいと思います。




●キッシュ 春日玖一巳 2007/01/12

キッシュ美味しいですね。
お菓子であれ料理であれ、双方素材の味を引き出すことをしっかり考えて作ることですね。
この授業は、本来パートブリゼの基本をしっかり修得していただき、空焼きの有無の条件や、
その特長を生かした、キッシュとお菓子のミルリトンでしたね。
 キッシュは、私の店でもランチに出していましたし、コツと言えば授業でも紹介しましたが、
オニオンはしっかりこがさず甘みを出し、マッシュルームは薫りの逃さずに味を凝縮させる。
ベーコンも出来るだけ手作りの物を使用する。ひとつひとつの食材をちゃんと下ごしらえすることが、美味しさの定義です。
よく生徒さんもお菓子は作るけれど、料理はあんまり・・とか、その反対も聞きますね。
 でも、美味しいお菓子を作るには、料理もできた方がいいし、
料理にお菓子のヒントがあったり、その逆もあります。
私は双方をしっかりと作ることで、自分のスタイルがあるんだと思います。
是非これからも料理にも興味を持って、続けてください。




●ありがとうございました。 Asako 2007/01/11

先生、いつもありがとうございます。
掲示板立ち上げられたんですね。
先日の授業の、キッショロレーヌとても美味しかったです。
家族にも大好評でした。お菓子やデザートもいつも感激していますが、これからもこういう料理も、
講座を開いてください。これからもよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。




Ans.●こんにちは kasuga 2007/01/10

ご質問ありがとうございます。
特徴ですか。。難しいですね。私もお菓子に携わり、もう25年になりますが、今でも新鮮な驚きや学ぶべき事がたくさんあります。
今まで、希望を持って働いてきた時代や、フランスでの仕事や研修で過ごした時間。
シェフとして働かせていただいたお店や、顧問の会社。オーナーシェフとして開いた店舗や教室。
その様々なシーンで、プラスになって自分の中に残っている物を、皆さんに伝えていることでしょうか・・。
流行も時代の需要や、次世代のムーブを感じることそれを取り入れる事も、携わっているビジネスには大切ですが、
この教室では今まで経験した事柄の中でのベストを伝えたいと思っています。ちょっとマトがずれましたでしょうか。
ヨーロッパで長い時間の間に培われた、文化としてのお菓子を、的確にプロの技術力で教えたあげたいって事ですね。。。





Qes.●初めまして。 miyoko 2007/01/07

こんにちは、初めまして、私お菓子の教室にかれこれ、5年ほど通っておりますが、新しい講座を探しております。
よろしければ、貴校の特徴を、教えてください。




●お久しぶりです。 春日玖一巳 2007/01/06

久しぶりに、3年ぶりですか・・ブログを復活させました。
今日はフランスでは「公現祭」。一年の最初に、神様が一斉に目覚める日です。
サクサクパイにクレームダマンドの「ガレットデロア」を焼き、
中に仕込んだ陶器のフェーブの当たった人がその日の王様になれる、お祭りの日です。
これから新しい、出会いや発見が期待できそうな日ですね。。。
不定期ですがお菓子の楽しさや、作り方、考え方など書き込んでいこうと思います。
お気軽にお菓子の質問や教室、商品の質問をしてくだされば幸いです。